専門家「大動脈が動かなくなるという躊躇があったのでは」
では、なぜ今回の立ち往生がおきたのか。
渋滞発生のメカニズムなどの研究で知られる「渋滞学」が専門の東京大学の西成教授に聞きました。
(東京大学 先端科学技術研究センター・西成活裕教授)
「想定していた以上の雪が降ったことが大きい。それに対して、関係者がどういう判断をして対策をとったか。他の道路が止まった時にこれ(高速道路)を止めたら、大動脈が動かなくなるといった躊躇があったのではないかと思う」


去年1月に、新名神高速で丸1日以上続いた立ち往生でもそうでした。この時は、三重県から滋賀県にかけての下り線で66キロの渋滞が発生。


ネクスコ中日本などは「東西の大動脈を確保する観点から高速道路の通行止めに躊躇した」「関係機関との情報の共有不足だった」と検証結果をまとめました。
その後、ネクスコ中日本は国土交通省などとともに「名神・新名神冬期道路情報連絡本部」を設置し再発防止に努めてきましたが、今回も立ち往生は起きました。


西成教授は、関係者の改善努力は認めるものの、もう一段先の対策が必要と言います。
(東京大学 先端科学技術研究センター・西成活裕教授)
「大雪だから止めるのではなく、大雪になりそう(なら止める)という予防措置も大事。(通行止めの)基準を決めておいて、1時間あたりの積雪量が前の時間に比べてこれくらい増えたら止めましょうと決めるとやりやすい。大事なのは人の安全なので、予防措置は本当に重要だと思う」
















