「条例制定」もすでに始まった工事は…?

土砂の埋め立てが行われている現場は相馬市内の松川浦周辺で、工事現場で発生した土砂が運び込まれています。埋め立ては、福島県の許可を得て進められていて、すでに埋め立てられた場所もありますが、周辺の住民は不安を感じています。

例えば、大雨などの際の流出や、ダンプカーの通り道には小学校の通学路も含まれているとため、事故が起きるのではないかといった安全性への懸念です。

そしてもう1つは、環境への影響です。計画の1つに、松川浦の一角にある湿地が含まれていて、生態系や特産の青のりへの影響といった観点からも、心配する声が寄せられていました。

こうした声を受けて、条例が成立したわけですが、これにより、事業者は工事をする際、周辺住民の同意をとったうえで、市の許可を得なければならなくなりました。

一方で、課題もあります。条例は2月1日から施行されますが、すでに工事が始まっているものには適用されません。市側もこれらを「中止させることは難しい」と話していて、今後は、事業者と住民の話し合いが必要になってきます。