車両の細部までこだわった観光クルーズ列車が瀬戸内を走ります。東急が伊豆などで運行している「THE ROYAL EXPRESS」が四国を走ることになり、愛媛県で試乗会が開かれました。

高級感あふれる青色の車体。豪華客船クルーズのような旅を提供しようと導入された「THE ROYAL EXPRESS」です。

「お待ちしておりました。いらっしゃいませ」

今月(1月)末から3月上旬まで、6回にわたり瀬戸内を走る観光クルーズ列車です。

(古川豪太記者)「床には寄木細工が。岡山出身のデザイナー水戸岡鋭治さんが木にこだわって作ったという列車は、天井にはステンドグラスが使われるなど細部まで高級感あふれる作りとなっています」

観光クルーズのために作られた車両の内装は特別な旅を演出するため、すべて職人による手作り。

展望車やライブラリーなどもある5両編成の列車に、わずか30人の乗客を乗せて運行します。

東急が2017年に制作し、本来なら伊豆などを巡る旅で使われていますが、JR四国などの協力を受け瀬戸内エリアを走ることになりました。

(東急クルーズトレイン 推進グループ 松田高広統括部長)「地域活性で日本全国を元気にしたいということで、四国・瀬戸内エリアというのはすごくブランド力があるので、いろんな旅をする人にとってはこの列車を通して素敵な舞台に必ずなるんじゃないか」

ヴァイオリニストの大迫淳英さんによる生演奏が流れる中、岡山を出発し、高松・琴平、松山やしまなみエリアを巡る3泊4日の旅。

列車の規格が違うことから電気機関車がけん引し、JRの路線を走ります。

宿泊は旅館などを利用しますが、瀬戸内の海の幸を使った一流料理人による料理が列車内で味わえます。

「こちらが愛南町のアオリイカと、今治で水揚げされたマダイです」

「各地域を感じながら旅をしていただいているようなイメージかと思いますので、料理の中でもその地域地域を感じていただければ」

最高の料理を味わいながら風光明媚な瀬戸内の景色を、高級感あふれる車内で楽しむ。旅行代金は1人96万円からですが、6回で限定180人のツアーに倍以上の応募があり、すでに予約はいっぱいの状況です。

(東急クルーズ トレイン推進グループ 松田高広統括部長)「ずっと地域の景色を見ながら走るというのは列車でしか実はできない。食であり車窓でありというので五感で四国・瀬戸内を感じていただけるような、そんな旅になるのではないかなと」

特別な列車で瀬戸内を巡る優雅な旅。観光振興と活性化にもつながる観光クルーズ列車です。