江戸時代に描かれた「錦絵(にしきえ)」を集めた企画展が、高知県高知市の県立坂本龍馬記念館で始まりました。

「錦絵」は、浮世絵から派生し、江戸時代中期~後期に描かれた、多色刷りの木版画です。20日に始まった企画展「錦絵にみる幕末維新-絵師と庶民の徳川幕府-」では、幕末に描かれた風刺画など32点が展示されています。

こちらの絵では、当時流行した「コレラ」を題材に、「コレラにかかりやすい魚」と「かかりにくい青物野菜類」が戦っていますが、「一橋派と南紀派による徳川将軍の跡継ぎ争い」の様子も風刺されています。

また、当時の幕府には出版物を検閲する機関があり、風刺している錦絵でも検閲で許可された「改印」(あらためいん)が押されているものがある一方、許可印が押されていない“非合法”のものも数多く出回っていて、人々の目に映った“幕末の姿”が読み取れます。


■坂本龍馬記念館 上村香乃 学芸員
「江戸で描かれたものなので、江戸の人々だったり、絵師が徳川幕府に肩入れしている様子だったりが、錦絵から見てとれる。その点に注目していただければ」

企画展「錦絵にみる幕末維新-絵師と庶民の徳川幕府-」は、4月7日(日)まで開かれ、期間中は3回、学芸員の解説も予定されています。