13日、新型コロナウイルスの東京の新規感染者は1万6878人に。先週水曜日のおよそ2倍になりました。政府は「全国旅行支援」の実施を延期する方針を固め、夏休みを前に旅行業界や夏の風物詩にも影響を及ぼしています。

■夏の風物詩復活も…感染対策で“控えめ”に

急激な新型コロナの感染拡大が続く中、夏の風物詩が復活です。

山本恵里伽キャスター
「神社ではお祭りが行われていて、たくさんの人で賑わっています。露店がずらっと並んでいますが、感染対策のため例年よりも半分以下に減らしているということです」

埼玉県川越市の神社で3年ぶりに実施された夏祭り。例年この祭りでは子どもの健康を祈り額に朱印を押しますが、今年は感染対策として団扇などに押すことになったそうです。

■沖縄をはじめ13県で過去最多の感染者

埼玉県内でPCR検査を行っている「ふじみの救急病院」では、午前中、診察を始めてすぐに外まで行列ができました。病院の建物内は看護師さんとの問診を待つ人でほぼ満員状態です。

1週間前、PCR検査を受ける患者は1日250人ほどでしたが…

ふじみの救急病院 鹿野 晃院長
「(おとといは)750人くらい。(きのうは)770人とか。3倍くらいの受診の方がおられて、陽性率が40%ぐらい。(1日)300人ぐらいの陽性者が発生しております」

東京都で13日、新たに感染が確認されたのは1万6878人。先週水曜日のおよそ2倍です。

全国の感染者は9万4000人を超えました。大阪で4か月半ぶりに1万人を超えたほか、沖縄をはじめ13県で過去最多を更新しています。

■「全国旅行支援」は延期し「県民割」の期限を延長 “行動制限”は「考えていない」

13日に行われた厚生労働省の専門家会合では…

厚労省アドバイザリーボード 脇田隆字座長
「オミクロン株のBA.5等の系統へ置き換わりが進んでいることから、今後も引き続き感染者数の急速な増加の継続が懸念される

より感染が広がりやすいと指摘されるオミクロン株の「BA.5」が広がり、感染者数が前の週から2倍を超える急増が続いているとしました。

夏休みを目前にした「第7波」。政府は、7月前半の開始を目指していた1泊最大1万1000円の観光支援策「全国旅行支援」の実施について、延期する方針を固めました。一方、現在実施している「県民割」の期限は、8月末まで延長する方針です。

注目は「行動制限」が必要かどうか。政府は「現段階において考えていない」との立場です。13日、日本医師会は…

日本医師会 釜萢敏 常任理事
「現状、私自身の認識も社会経済活動を抑制しなければいけない事態ではないと判断」

政府と同様に行動制限は「必要ない」との見解を示しました。医療提供体制にまだ余力がある点を理由としましたが、重症者が急増した場合、行動制限などの措置も検討すべきとしています。

その重症者の数ですが、12日時点では全国で90人でした。第6波のピーク時は2月25日で1507人いました。ただ、重症者は感染から時間が経って増える傾向があるので今後も注視が必要です。