中国と国境を接するミャンマー北東部で、複数の少数民族武装勢力が軍への激しい攻撃を続けるなか、中国の仲介で両者が一時停戦の合意に達したことが、JNNの取材で分かりました。

ミャンマー北東部のシャン州では去年10月下旬以降、それぞれの支配拠点を持つ3つの少数民族が共闘し、ミャンマー軍への一斉攻撃を続けてきました。

戦闘激化の影響は中国にも広がり、国境を接する南部雲南省には多くの避難民が押し寄せているほか、今月には、ミャンマー側から発射された砲弾が落下する事態も起きています。

これに懸念を強める中国は、ミャンマー軍と武装勢力の和平交渉を仲介していましたが、JNNの取材によると、今月11日までに開かれた3回目の協議で、両者は一時的な停戦の合意に達したということです。

武装勢力側の関係者によると、合意には、▼軍側が空爆や重火器による攻撃をやめること、▼武装勢力が軍の拠点に対する攻撃を加えないことなどが盛り込まれたということです。

ただ、別の関係者は軍と武装勢力の双方が合意を守らない可能性もあると指摘しています。

ミャンマーでは、シャン州で始まった大規模な一斉攻撃に各地の民主派武装勢力なども呼応し、戦闘が全土で拡大しています。

また、中国外務省の毛寧報道官も12日の会見で、「雲南省・昆明で和平交渉を行い、正式な停戦に達し、双方が即時停戦で合意した」と発表。

「ミャンマーのすべての当事者の利益であり、中国との国境地域の平和と安定の維持にも役立つ」と合意の意義を強調しました。そのうえで、「関係者が停戦合意を誠実に履行し、対話と協議を通じて問題を解決すること、ミャンマー北部の平和を共同で推進することを期待する」としています。

中国が仲介したミャンマー軍と武装勢力の和平交渉は、これまで2回開かれたものの停戦には至らず、中国外務省によると、今回は10日から11日にかけて協議したということです。