「難易度高く、調査不足」専門家が指摘、政府の見通しの甘さ

日本大学 鎌尾准教授
「国内では例のない工事になるので、その辺が非常に工事の難易度が高くなり難しい工事になることが考えられる」

地盤工学が専門の日本大学・鎌尾彰司准教授は、大浦湾の軟弱地盤の工事の難易度に加え、政府の調査不足を指摘してきました。

日本大学 鎌尾准教授
「軟弱地盤の部分を、まだ正式に詳しい調査が行われていない強度特性、変形特性、強さと沈下量を予測するためにそういう試験をしていくが、今現在それが行われてない。別の数百メートル離れたところの土を、そこと同じなんだという仮定の下に設計が行われている」

大浦湾の北側、滑走路が建設される場所に位置するB27と呼ばれる地点。水深90メートルの場所に軟弱地盤が広がっている場所です。

政府はこの場所の詳しい調査を実施せず、近くの地盤の調査を参考に「固い」と評価。およそ7万本の杭を打ち込み、水深70メートルまでを地盤改良すれば「十分」だとしています。

日本大学 鎌尾准教授
「機械が届かない部分になっているので、本来はそこをより詳しく調べておかないといけない、それが行われていないということですので、少し工事がどうなるかわからない可能性を秘めている」

「今現在の段階で予算額の半分くらいを使用しているが、まだこれから難しい工事、たくさん土砂を投入したり、地盤改良して軟弱な地盤を固めるようなこともある。さらに大きく予算が膨らむのは間違いない」