工事が本格化する一方で、埋め立てをめぐり、指摘が無視されたままの軟弱地盤の問題。この問題を繰り返し指摘してきた専門家に改めて話を聞きました。
12年以上かかる計画が“唯一”で“1日も早い”と主張する政府

唯一無二の自然が残る大浦湾。およそ5300種の生き物たちが暮らす生態系の宝庫です。
平良記者
「石材が次々と投入されていきます。大浦湾側での工事が本格的に始まりました」
穏やかにみえた海は、何度も示された県民の民意をよそに、その姿を変えようとしています。

木原防衛大臣
Q珊瑚の移植も完了しておらず、代執行したとはいえその他の手続きが残るなかで早期に着工されましたが、このタイミングで大浦湾で工事着工したことは適切だったとお考えでしょうか?
「着実に工事を進めていくことが、普天間飛行場の1日も早い全面返還というものを実現し、その危険性を除去することに繋がるというふうに考えております。このため、所要の準備が整った本日、大浦湾側の工事に着手したこと、これについては適切であったというふうに考えております」
“1日も早い”危険性除去を掲げながら、12年以上かかる計画を「唯一の解決策」と繰り返す政府。
玉城知事(10日)
「政府においては必要性・合理性のない埋め立て工事の強行がもたらしている甚大な問題を直視した上で、沖縄の苦難の歴史に一層の苦難を加える、辺野古新基地建設を直ちに中止し、問題解決に向け沖縄県と真摯な対話に応じていただくよう求めます」

軟弱地盤が広がる大浦湾で始まった工事は、今後の作業のため埋め立て予定海域の外に資材を仮置きする資材置き場=海上ヤードを建設するための工事です。
政府は今後、ヤード建設と並行して埋め立て工事を進める考えで工期は9年3か月、移設完了までに12年を見通しています。