また、判決後、弁護人は取材に対し「残念です。被告がかわいそう。上告については検討中だが、今のところ、しない方針。被告は1審の時から判決に従う姿勢なので」と話しています。

 一方、検察は「検察の主張が認められた判決である」とコメントしています。

<これまでに検察と被告・弁護側が明らかにした経緯など>

■検察

・2016年に同僚となった際、すでに片桐被告に妻、宮田さんには夫と2人の子ども
・18年から交際「妻と離婚する」などとウソをついて、関係継続しながら解消も考える
・21年、妻との間に子どもが生まれる
・22年、帯広市の高校に異動、解消に向けて連絡避ける
・頻繁に宮田さんから連絡あり

・5月29日、顧問をしていた野球部の練習場を訪問される
・5月30日、高校に駐車していた車の中が荒らされ、隠していた住所知られる
・自宅前で待ち伏せされ、走行中の車内で妻と別れることを要求される
・関係解消も継続も不可能と考え、パチンコ店の駐車場で「もう、死ぬしかない」と伝える
・宮田さんが頷いたので「自分も死ぬのであれば、死ぬ気になった」と認識
・一緒に死ぬつもりがあるかのように装い、殺害することを決意

野球部の顧問だった片桐被告

・後部座席に移動し、お互いの首にシートベルトを二重に巻き付ける
・自分だけゴム手袋はめる
・お互いに引っ張り合うも、約10分後、宮田さんだけ窒息死
・遺体を自分の車に移して出勤、授業や野球部の活動こなす
・雑木林に遺体を埋め、宮田さんのスマートフォンや車検証焼いて痕跡隠滅
・アダルトサイト閲覧

■被告・弁護側

・2018年、宮田さんから誘われて交際スタート
・19年、関係解消望むも拒まれ、ヒステリー、50回を超える着信の日も
・別れるなら「700万円ある」と話した全財産を払えと要求され、まず、300万円払うも関係解消できず

・22年4月、帯広市の高校に異動、住所は隠す
・4月3日だけで666回の着信、高校職員への電話も
・「押しかけられるのが嫌なら、金を払え」と要求され、残りの400万円支払う
・それでも宮田さんの態度変わらず、5月29日、野球部の練習場を訪問される
・仕事があると偽り、高校に車を止めて、タクシーで帰宅

熱心な指導者として、生徒に慕われていたというが…

・5月30日、高校に行くと、車内が荒らされていて、ワクチン接種券から隠していた住所知られる
・「あなたの家の前にいる。早く来たほうがいい」と連絡あり、自宅へ
・宮田さんの車の中で「(妻と)別れないなら、赤ちゃんと奥さんを殺す」と言われる
・「もう、死ぬしかない」と伝えると、2回頷いたので、同意があったと認識して殺害
・宮田さんを殺害後、自殺しようとしなかったのは「家族を思い浮かべ、一緒に暮らしたいと思ってしまったから」