1審判決を破棄、釧路地裁に審理を差し戻した札幌高裁の成川洋司裁判長(11日午前)

2023年12月21日の控訴審の初公判は、検察が求めた宮田さんの夫の証言など、新たな証拠採用を全て却下、わずか10分ほどで結審していましたが、札幌高裁は2024年1月11日午前、承諾殺人罪を適用した1審判決を破棄し、釧路地裁に審理を差し戻しました。

<1審判決を破棄、審理差し戻しの主な理由>

・被害者は「もう、死ぬしかない」という被告の言葉を聞いて、衝動的に死を決断
・被告はゴム手袋をはめるなど、主体的で冷静な判断
・被告との体格差や準備していた背景から、被害者は抵抗を示さなかったというより、示せなかった
・1審判決の「被害者は抵抗することもなく」という前提は却下されるべきものか、論理の飛躍
・被害者は、被告が妻子と同居していることを知っても離婚を求め、不貞関係を続けようとしていた
・このような心理、行動から考えると、自分だけ死んで、被告が生き残り、妻と暮らしていくことを容認したとは考え難い
・一緒に死ぬことを前提として、先に死ぬことはあっても、追死してくれるものと考えていた
・承諾殺人と判断したことは、客観的な状況だけでなく、行動傾向など、多角的視点を欠いたもの

控訴審の初公判時、片桐被告の廷内スケッチ(去年12月、札幌高裁)

頭髪は丸刈り、メガネをかけ、黒のスーツ、白いワイシャツ姿で出廷した片桐被告…真っ直ぐ裁判長を見つめ、判決を聞いていました。