青森市の県立中央病院で、感染性胃腸炎の集団発生が確認されました。これまでに入院患者76人が下痢や嘔吐などを訴え、一部の患者の便からはノロウイルスが検出されたということです。
県立中央病院では、2023年12月31日から2024年1月8日までに20歳未満から90代の入院患者男女76人が下痢や嘔吐などを訴えていて、調査の結果「感染性胃腸炎」が集団発生していたと発表しました。
症状を訴えた人はいずれも、回復に向かっているということです。
青森市保健所が原因を調査したところ、複数の患者の便からノロウイルスが検出されました。一方で、これまでの調査では病院の調理室や食事からはノロウイルスは検出されていないことなどから、現時点では食中毒ではなく、ノロウイルスの感染者からほかの人へうつった可能性が高いとしています。
県立中央病院は、消毒や手洗いなどを徹底し感染対策を強化したうえで、これまでコメ以外は中止としていた病院での調理について、1月13日から再開し患者に提供するとしています。
今回、病院内で集団発生した感染性胃腸炎。専門家はどう見るのでしょうか?また、原因となるノロウイルスの消毒法には思い違いもあるようです。注意点を取材しました。
県立保健大学大学院 大西基喜特任教授
「基本的には食中毒があって、そこからノロウイルスの場合は二次感染も起こりうるので、二次感染がある程度あったのかなと思っていました」
感染症を研究している大西基喜特任教授は、76人にまで拡大した感染性胃腸炎について、院内で二次感染があったと推測しますが、その上で、こう指摘します。
県立保健大学大学院 大西基喜特任教授
「(便や吐物の)処理がきちんとできている限りは二次感染はそうそうあるものではないですね」
二次感染は主に感染者が調理した料理の摂取や、便や嘔吐物からとされますが、処理や予防法さえ知っていれば防げると言います。ただ、その方法にコロナ禍を経て思い違いもあるようです。
県立保健大学大学院 大西基喜特任教授
「コロナと違ってノロウイルスの場合は、アルコールが効くわけではない。次亜塩素酸とかでなければ本当の意味では効かない」
ノロウイルスに対してはアルコールでの手洗いは効果がなく、石けんを使った丁寧な手洗いが一番効果があるとしています。
ノロウイルスに関係する感染症は2月にかけて流行するため、正しい方法を知っておくことが重要です。














