高知市出身のプロゴルファー・片岡大育(かたおかだいすけ)選手が、今季ツアー前半戦の出場権を獲得しました。シード喪失、コロナ禍、病気…様々な不調を乗り越え、年男の今年、完全復活を目指します。

(片岡大育プロ)
「ずっと苦しかったんですけど、最後の最後で『やっと晴れてきたな』っていう感じの年でした」

2023年をこう振り返ったのは、高知市出身、Kochi黒潮カントリークラブ所属の片岡大育プロです。2007年にプロに転向し、ツアー3勝を挙げている片岡プロ。2019年にシード権を失いましたが、ツアートーナメントの予選会にあたるクォリファイングトーナメント(QT)最終戦でランキング2位となり、今季ツアー前半戦の出場権を獲得しました。

(片岡プロ)
「カシオワールドオープンからのきっかけをつかんで、本当にいいゴルフが何年かぶりぐらいにできて、不調を脱却したという気持ち、メンタルが本当にうれしくて。4年くらいゴルフを楽しくできなくてずっと苦しかったのが、すべて自分の思うようにまっすぐいきだしたので、またゴルフが楽しくなった、喜びがかなり大きかったです」

ここ数年、スイングの悩みを抱えていたという片岡プロ。去年のカシオワールドオープン直前にゴルフクラブの調整を行ったことで復調の兆しが見え始め、カシオでのひときわ大きな声援も力になったと話します。

(Q.カシオワールドオープンへの思い)
「気持ち的にスイッチが入る。そこで頑張らなければいけないので、勝手にやる気スイッチというか試験を受ける前にちょっと似てる感じで、集中力が高まっていく。応援が大きければ大きいほど、そういう気持ちが強くなるので、地元・高知、黒潮カントリークラブで(開催)ということが本当に大きい」

地元には特別な思いがある片岡プロ。2013年、県出身選手として初のシード権を獲得しましたが、2019年、6年間守ってきたシード権を喪失。その翌年・2020年にシード奪還を目指すも、新型コロナの影響で試合数が大幅に減少しました。さらに追い打ちをかけるように片岡プロを襲ったのが、原因不明の顔面神経麻痺でした。

(片岡プロ)
「ひどかったのは、目のあたりとか、右ほほのあたりが一番動かなくて。神経が耳の後ろぐらいから出てるらしいんですけど、右の首筋あたりにもちょっと違和感があって。若干右肩も動きづらいというか…。発症して半年ぐらいは全然ゴルフができないような、目が全然閉じなかったので、ゴルフ場は風が吹くので、風があたって涙が出るっていう症状がけっこうあったので、いったんゆっくり休ませてもらおうかと思って、休暇を半年ぐらいいただいた」

およそ10か月間の療養を経て挑んだ2021年のカシオワールドオープン。そこには変わらないファンの姿があったといいます。

(片岡プロ)
「こんな状態の僕…シードを落として、病気にもなって、そこから成績がずっと出せなかったので、それでも変わらず皆さんが声をかけてくれるし、心配もしてくれて、ずっと応援し続けてくれてる人たちがたくさんいたので、本当にうれしかった。何とかしてもう一回、立て直さないいけないなという思いしかなかったです」

2023年12月、片岡プロの昨シーズンの戦いをねぎらう慰労会が開かれました。片岡プロは大勢のファンらを前に感謝の気持ちを述べるとともに、今シーズンの活躍を誓いました。

(片岡プロ)
「この4,5年本当に悪い成績の中皆さんに支えていただいて、この後援会も今回で10回目。ずっと継続していただいて変わらず応援していただいて、今までありがとうございましたという気持ちでいっぱい。来年はしっかり成績を残して、またこの場で優勝祝い、シード復帰祝いをできるように、皆さんに元気をお届けできるように頑張りますので、引き続き今後ともよろしくお願い申し上げます」

ファンも片岡プロの活躍に期待を寄せています。

(ファン)
「学生の頃から見てまして、練習場とかでお会いしてて、かわいらしいころから知ってますので、低姿勢ですてきな男性だと思います。賞金王で、カシオで勝ってもらって、ここでまたお祝いを盛大にしたい」
「本当にしんどかったと思います。スランプの期間もずっと見てたんで、よくぞここまで復活したなと思います。もう一回、優勝してほしい。とにかくそれに尽きますね。その力は絶対あるはずなので!」

年男の今年、生まれ変わった片岡大育で、再び高知を盛り上げたい!長年培ってきた技術と精度の高いショットを武器に、目指すは、完全復活です。

(片岡プロ)
「自分の状態としては復活しているので、あとは完全復活に向けて10~20ヤード飛距離を伸ばすことができたら絶対優勝できると思うので、そこをいま目標に置いてやってます。“ツアー優勝”というあの喜びをもう1度皆さんと分かち合いたい」

「また高知の皆さんに優勝を届けられるように一生懸命頑張っていきます。11月にはカシオワールドオープンが開催されるのでその時に大きい姿で帰って来られるように頑張っていきますので、本年も応援をよろしくお願いいたします」