◆生活保護の患者に“差別的”な発言か

年間に6000台以上の救急車を受け入れている福岡記念病院。院長が代わって以降、受け入れ件数はさらに増加し、去年11月には病院が開設されて以来最多の716台を受け入れました。医療機関に受け入れを断られ、救急車が現場で待機する「救急搬送困難事案」が社会問題となる中、頼もしい存在と言えます。しかし、現場で働く医師や看護師は受け入れ態勢が十分とは言えず「いつミスが起きてもおかしくない」と話します。

救急担当の医師「一人一人に目が向けられなくなって、放置状態になってしまうような、違う患者に違う薬が行ったりとか、そういったことが起きてもおかしくない状態は度々あったような感じですね。このままではちょっと身が持たないのもあるし、心が持たない」

院長は「生活保護を受けている患者はトラブルの元」などど差別的とも受け取れる発言をしていました。

(音声データ・去年10月に録音)
院長:
「生保(=生活保護)だから多分ですね、寛解するまで(=病状が治まるまで)入院を言われると思うんですよね。早めに外来機能で良ければ外来に出して頂いて、生保の人には普通の対応を、金を払う方には濃厚な医療をするのが通常の医療じゃないかなと」

こうした理事長や院長に反発して今年3月末までに14人の医師が退職する予定です。さらに1人の医師が夏までに退職する意向を示しています。これは常勤医師のおよそ2割に相当しますが、病院側は「例年より退職者が多いが診療に影響が出ることはない」と説明しています。しかし、新型コロナや肺炎などを診療する呼吸器内科は、常勤医師がいなくなり、今の診療態勢を維持するのが難しい状況になるおそれがあります。