インド洋にある海上交通路の要衝・モルディブの新しい大統領が就任後初の外遊として、8日から中国を公式訪問しています。インドと中国が影響力を競うなか、中国重視の姿勢を鮮明にした形です。

去年11月に就任したモルディブのムイズ大統領は、中国の習近平国家主席からの招待を受け、8日、北京に到着しました。モルディブメディアによりますと、12日までの公式訪問で両国の首脳は会談を行うほか、二国間の協力文書に署名する予定だということです。

モルディブは長年、インドとの関係を深めてきましたが、ムイズ氏はインフラ開発などに投資する中国の巨大経済圏構想「一帯一路」に賛同し、中国との関係強化を打ち出しました。また、モルディブに駐留するインド軍の撤退を要請するなど“インド離れ”の姿勢を鮮明にしています。

こうした中、モルディブの政府高官3人がSNS上でモディ首相を「テロリスト」や「イスラエルの操り人形」などと侮辱する投稿をしたとして、停職処分を受けました。

モルディブ政府は「個人的な意見であり、政府の公式見解ではない」と釈明しましたが、インド政府が8日にモルディブ大使を呼び出す事態に発展しており、両国の関係悪化が懸念されています。