2024年は世界で注目の選挙が続き、国際情勢の流れを変える大きな分岐点にもなりそうです。その“キックオフ”にあたるのが間近に迫った台湾総統選、そしてクライマックスは11月のアメリカ大統領選です。担当記者の報告です。
記者
「頼清徳候補が会場入りしました。もはや何のイベントが分からなくなるほど異様な熱気に包まれています」
年末の台北市。
与党・民進党の頼清徳候補が決起集会を行い、蔡英文総統も応援に駆けつけました。集会への参加は先着順で、チケットはわずか2分程度でなくなったということです。
一方、最大野党・国民党の侯友宜候補も、台湾総統府前で大規模な集会を決行。党によるとおよそ5万人が集まったとされます。
12月30日、各候補が出席した「テレビ討論会」の中継を見ていた市民は…
台北市民
「争点は台湾と中国の関係についてですね」
総統選に立候補している3人は、いずれも「独立」や「中国による一国二制度」には反対し「現状維持」を主張してはいるものの、与党の民進党が中国と距離を置くのに対し、野党側は融和的な方針です。討論会では、こんなやりとりがありました。
与党・民進党 頼清徳候補
「2人に聞きたい。中華民国(台湾)と中華人民共和国は隷属関係にあるんですか」
野党・国民党 侯友宜候補
「中国本土は台湾の独立に反対で、すでに台中関係は緊張状態だ。あなたは独立を主張しているが、どうすれば台中関係を維持できるのか」
一方、新年のスピーチで中国の習近平国家主席は「祖国の統一は歴史の必然だ」と台湾統一に改めて意欲を表明。
この発言を受け台湾の蔡英文総統は「台湾は民主主義で、民主主義の過程を経て最終決定しなければならない」と強調しました。
台湾のほとんどの世論調査では、蔡総統の後継者である与党の頼候補がリードしていますが、彼を「独立勢力」と警戒する中国が経済面での圧力や世論工作など、ギリギリまで新たな“揺さぶり”をかける可能性もあります。
記者
「アメリカの大統領選挙も世界が注目しています。81歳のバイデン大統領、再選を果たすことはできるでしょうか」
アメリカの大統領選挙は11月に行われますが、野党・共和党の候補者選びは早くも今月、始まります。
デサンティス候補
「アイオワ党員集会で勝利して私を第47代大統領に押し上げるのはみなさんです」
ラマスワミ候補
「2024年の革命で勝利するんです。みなさん来てくれてありがとう」
1月15日に初戦が行われるアイオワ州では有力候補がすでに熱い選挙戦を繰り広げています。しかし…
トランプ前大統領
「いんちきなバイデンは知能指数が低く、本当に最低だ。この国の歴史で最も無能で最も汚職にまみれた大統領だ」
共和党内ではトランプ前大統領の支持率が60%を超え、ほかの候補者に圧倒的な差をつけています。
候補者選びは全米で夏まで続きますが、専門家は…
ジョージ・ワシントン大トッド・ベルト教授
「不測の事態が起きない限りバイデン対トランプの再対決になると予想しています」
「2人のビジョンと大統領としての実績を比較する『選択の選挙』になるでしょう」
外交面では中国との対立・競争に加えて、ウクライナ・イスラエルと2つの戦闘への対応にも追われるアメリカ。
バイデン大統領
「プーチンを止めなければ、自由が危険にさらされる」
「力で奪えるものを奪おうとする者があらゆる場所で出てくるだろう」
党派対立で支援の足を引っ張られるバイデン大統領に対し…
トランプ前大統領
「(私が大統領だったら)ロシアは侵略していなかった。ハマスだって同じだ」
「私が大統領職に戻って最初にやることは強さで平和を取り戻すことだ」
と主張するトランプ前大統領。選挙戦は世界が見つめる中で進んでいきます。
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