◆復路は“全員箱根デビュー”も圧巻のタスキリレー!


気温4℃、風速1mと前日の雨とは打って変わって穏やかな天候となった箱根。2年ぶり7度目の完全優勝へ、往路を制した青山学院大は標高874mから一気に下る6区(20.8㎞)、野村昭夢(3年)が2位・駒澤大に2分38秒の差を付けてスタートを切った。最初の山上りを抑えて入ったが5㎞付近では2位の駒澤大に2分52秒、14秒の差を広げた。

野村は山下りに入ると大きなストライドで走りを刻み、9.1㎞付近で2位駒澤との差をさらに広げ3分18秒差に。野村の兄も東洋大で箱根を走った選手で、原監督からは「折角、ここまで来たんだから区間記録とって兄貴を超えるよ」と声を掛けられた。さらにスピードが上げた野村は、2位以下に大きな差を付けて7区(21.3㎞)の山内健登(4年)にタスキを渡した。

復路のターニングポイント6区で流れをつかんだ青学は7区、こちらも箱根デビューとなった山内が力強い走りで、同じ4年生から給水を受け取ると笑顔を見せた。残り3㎞付近から首が左右に動きはじめ苦しい表情を見せたが、最後まで粘りの走りで1位でタスキリレー。

8区(21.4㎞)の塩出翔太(2年)は最初の5㎞を区間記録より10秒早いペースで入った。10㎞での給水には前日2区で区間賞を獲った黒田朝日(2年)が担当し、塩出は水をもらうと手をあげて笑顔を見せた。13㎞付近では区間記録から23秒早いペースとなったが、最後の上り坂で少しペースが落ち、1時間04分00秒で区間新記録には11秒及ばなかったが区間賞でトップをキープ。

最初で最後の箱根となった9区(23.1㎞)の倉本玄太(4年)も落ち着いた走りで序盤のアップダウンをクリア。最後までペースを崩さず、2区続けての区間賞の走りでアンカーの宇田川瞬矢(2年)へ。

10区の宇田川は単独走でもペースを乱さず、9人が繋いできたタスキをしっかり運び、ゴールの大手町に向かった。最後は投げキッスをしてゴールテープを切り、涙を流して待っていたチームメイトの元に飛び込んだ。第100回の記念大会は青山学院大が2日間、217.1㎞の戦いを制し、10時間41分25秒(速報値)の大会新記録で2年ぶり7度目の総合優勝を手にした。