今年、長崎知事は山中湖村のほか、富士吉田市、西桂町でも自ら住民説明会に出席し、オーバーツーリズムなど富士山の抱える課題の解決策の1つとしてその必要性を訴え続けています。

来年1月には富士河口湖町、忍野村、鳴沢村でも住民説明会が開催される予定です。

富士吉田市のホームページより

一方で市長が構想に反対している富士吉田市は独自にインターネットでアンケートを実施し、11月までの中間結果では反対が60%を超えたと公表。
さらに、広報紙では「これ以上富士山を傷つけてほしくない」という市長のインタビューを掲載し、路面電車の整備ではなく自動運転の電気バスの導入などで代替できるとする案を示し、反論を続けています。

ただ、オーバーツーリズムや車の排気ガスによる環境負荷の軽減など対策が必要という認識については両者共通しています。

堀内市長は対策の必要性を記者会見で繰り返し語り、長崎知事も11月の富士吉田市の説明会で「富士山の恵みを後世に引き継いでいくみなさんと私たちは共通している」と会場に呼びかける場面もみられました。

現状は富士山の5合目までの交通手段について鉄道か電気バスかの方法論での対立となっています。

会場で説明を聞く富士吉田市の堀内茂市長 

一方で、富士吉田市の説明会には堀内市長も出席しましたが、発言しませんでした。

2人が直接議論する場面はなく、
今のところ説明会や広報誌、記者会見を通じた“空中戦”が続いています。