■現実は厳しい、しかし理想はあきらめてはいけない■
Qライフワークとする「核兵器のない世界」の進捗状況は
《岸田総理》
これはですね、ロシアによる核兵器による威嚇とか、北朝鮮による核開発ですとか、現実は本当に厳しいものがあると思います。しかしだからこそ、今こそ再び機運を盛り上げるこういった行動を起こさなければならない。こうしたことだという思いでG7サミットにも臨みましたし、その後の国連総会をはじめ様々な機会で核兵器のない世界というものを強調している、これが現状だと思っています。

Q政府の取り組みが物足りないという被爆者団体や核兵器禁止条約推進派からの声に対してどう理解を求める
《岸田総理》
これはまず私たちの周りで現実、核が開発されている、北朝鮮による核やミサイルの開発が続けられている、そして世界を見た場合に、核による威嚇も行われている。この現実に対してやはり国民の命や暮らしを本当に責任をもって守れるのか、こういった課題に政治は真剣に向き合って、そして責任を果たしていかなければならない、これは厳しい現実だと思います。

しかし同時に未来に向けて核兵器のない世界を目指す理想、これは決してあきらめてはならないと思います。この現実(への対処)と理想(を求め続けること)、決して矛盾するものではありません。政治の役割はですね、現実と理想をどう結び付けるのか、現実を理想にどのように導いていくのか、このロードマップをしっかりと示すということが政治の大きな責任だと思います。

私もNPT運用検討会議に日本の総理大臣として初めて出席しましたが、その際にヒロシマアクションプランというものを明らかにいたしました。これをぜひしっかりと実践していくことで道筋を示していく、こういった責任を果たしていきたいと思っています。