上皇さまがきょう90歳、卒寿の誕生日を迎えられました。確かな記録が残る歴代天皇の中で90歳を迎えられるのは初めてです。
宮内庁によりますと、規則正しく穏やかな日々を過ごされているということです。
【日常生活】
朝と夕に赤坂御用地内を散策し、朝食後には上皇后さまと小学校の国語教科書などを音読されています。将棋の藤井聡太さんの活躍を受け、最近は侍従と将棋を楽しまれることもあるそうです。
新聞やテレビのニュースをよくご覧になり、国内外の出来事に目を向け、国民生活の様子に心を配られています。
また、地震が発生すると、昼夜を問わず、すぐにテレビ速報を見て、被災状況を確認されているということです。
【ハゼの研究】
ハゼの研究については、毎週月曜日と金曜日は皇居の生物学研究所で、水曜日にはお住まいの仙洞御所で続けられています。新しい知見が蓄積されてきたことから、1980年に共著で発表した論文などについて再検証することを決められました。
【ご健康】
昨年7月に右心不全と診断され、BNP値がやや高く、胸に水が少量貯まっている胸水貯留が認められますが、薬の服用、水分の摂取制限により、昨年末以降、比較的安定した状態が続いているということです。
【平和や被災者への思い】
沖縄県慰霊の日、広島・長崎の原爆の日、終戦記念日、阪神淡路大震災と東日本大震災の発生日には上皇后さまと黙祷し、終日、静かに過ごされています。
東日本大震災については、上皇さまが詠まれた御製「大いなるまがのいたみに耐へて生くる人の言葉に心打たるる」と、上皇后さまの御歌「今ひとたび立ち上がりゆく村むらよ失(う)せたるものの面影の上(へ)に」に節をつけた舞が、今年3月11日、宮城県石巻市の鹿島御児神社で奉奏されたという知らせを受けられたということです。
【日系ブラジル人学校との交流】
1997年のブラジル訪問をきっかけに日本語などを学ぶ日系ブラジル人学校「松柏学園・大志万学院」の生徒から、毎年、学校の様子を伝える作文などが届いています。
今年も上皇后さまと一緒に楽しそうに目を通されていたということです。
【地方への訪問】
今年5月の新型コロナウイルスの規制の緩和を受け、上皇さまは上皇后さまとともに、さまざまな場所へ外出されました。
5月14日から18日まで京都と奈良を訪問。代替わりに伴う引っ越しのための御用邸滞在を除くと、2019年以来、4年ぶりの地方訪問でした。
京都では三大祭りの葵祭をご夫妻で初めて観覧し、奈良県天理市の「なら歴史芸術文化村」では薬師寺の東塔など文化財の修復について説明を受けられました。
担当者
「こちらの模型はこのように簡単に解体することができます」
上皇さま
「これはいつごろできた模型なのですか」
担当者
「きのうです」
上皇さま
「そうなんですか。新しい」
「きのう」という答えに上皇さまが微笑まれ、周囲も笑いに包まれる場面がありました。
また、8月には4年ぶりに長野県軽井沢町で静養されました。
戦後、旧満州から引き揚げてきた人々が入植した大日向開拓地のキャベツ畑を散策し、上皇さまは終戦後に生活した東京都小金井市で職員が野菜を作っていた思い出を話されていました。
上皇さま
「小金井はね、職員に皆、畑を配ったわけだ。30坪だったかな。草ぼうぼうの(畑)もあるし、さまざま。とても面白い」
また、上皇后さまと出会った「軽井沢会テニスコート」を訪問し、昔なじみの人と懐かしそうに話されていたということです。
誕生日のきょう、上皇さまは上皇后さまとともに、仙洞御所で天皇皇后両陛下、皇族方を始め、三権の長や職員代表らから祝賀を受けられる予定です。
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