精神疾患によって休職した公立学校の教員の数が過去最多となったことが文部科学省の調査でわかりました。「いなくなりたいと思いながら働いていた」、現場から悲痛な声が上がっています。
「もうこの場から逃げたい。もういなくなりたい」
10年以上、東京都内の公立小学校で教員として働く女性(30代)。保護者からのクレーム対応など業務への負担が重なり、今年、「抑うつ状態」と診断されました。
東京都内の公立小学校教員
「保護者のクレームだとか、子供たちの対応のことで悩みが大きくなって、朝学校に行くのがつらいという日々が続くようになった」
文科省によりますと、2022年度に精神疾患によって休職した公立学校の教員は全国で6539人で、前の年度より642人増加し、過去最多となりました。
しかし、この女性の場合は休職することすら難しいといいます。
東京都内の公立小学校教員
「突然休まれる方もいましたし、徐々に教室に上がれなくて職員室で泣き崩れていたりとか、更衣室で泣いている姿を見たりとかしてきました。学校の状況が欠員が出てる状態なのは知っているので、自分が休んでしまうと、さらに現場で働く先生方に負担をかけてしまう」
女性は今も、通院しながら勤務を続けているといいます。
専門家は教員の業務が多様化する中で、精神的負担に対する相談体制の不足を指摘します。
メンタルヘルステクノロジーズ 刀禰真之介 社長
「コロナという環境変化、あといわゆるITとか、GIGAスクール構想とかも含めた変化が訪れていたり、子どもの変化ですね。発達障害だったり、グレーゾーンの子どもが増加し始めている。そういったところをサポートする仕組み自体が、先生方をサポートする仕組み自体が、今後、求められているのではないかと思います。まず先生方がSOSを出しやすい環境作り、これが機能することが重要」
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