■「ボタン一つで人生が狂う」賠償1000万円超の可能性も

必要なときには押すべき非常停止ボタンですが、不必要に電車を止めた場合の「罪」や「損害賠償」についても知っておきましょう。

〈刑事責任〉
威力業務妨害罪が適用される可能性があります。3年以下の懲役または50万円以下の罰金、鉄道営業法違反だと1万円未満の科料が課されます。

〈民事責任〉
不必要に非常停止ボタンを押し、電車を遅延させた損害を賠償される可能性があります。

酔った客がホームから線路に侵入し、電車を遅延させたとして損害賠償金、約170万円が請求されたケースがありました。

鈴木メトロ氏:
損害賠償金額が200万円とか300万円は“ざら”。僕も1、2度は経験しました。
家族が払いきれなくて、海外に逃亡する方もいました。

コメンテーター 真鍋かをり:
人生狂っちゃうんですね、ボタン一つで。


弁護士 八代英輝:
電車の遅延や運休などの被害が大きければ、損害賠償金が1000万円を超える可能性もあります。山手線のような、大都市の大動脈のケースでは、多くの方に影響を及ぼしますから、鉄道会社に対しての損害も非常に大きなものになります。
自分にとっては必要だと思って押したとしても、刑事責任が問われることは十分あります。

恵俊彰:
前提として、絶対にホームから降りちゃいけない、これをまず認識を持つことですよね。人命にかかわる時以外は非常ボタンも本当に押してはいけない。電車が安定的に運行することを止めずに、何か落ちたら相談するということですね。

(ひるおび 2022年7月7日放送より)