■「非常停止ボタン」押すべきケースは?

国土交通省の手引きによると
線路内に転落した人を見たときなど、急いで列車を停止させる必要があるときには押してくださいとあります。
恵俊彰:
要するに人の命に関わるような状況が起きたら、押していいわけですね。もちろん駅員さんも押すんでしょうけれども、一般の我々も押していいということですか?
鈴木メトロ氏:
はい、もちろん。逆に人の命に関わらない場合は近くの駅員さんに相談するのが一番です。
さらに、JR東日本によると、
重い荷物(キャリーケース)など、列車の運行に支障があるものや、危険な物が線路上に落ちた場合は、躊躇せずボタンを押してほしいとのことです。
鈴木メトロ氏:
線路内に傘が落ちていたことがあって、傘は鉄なので、線路にかかると“置き石”と同じように危険になる。そういう場合は脱線の恐れがあるので押すべきだと思います。
■元駅員が目撃!「非常停止ボタン」が押された信じられない理由


元駅員の鈴木メトロ氏によると、非常停止ボタンを気軽に押す人が結構いるということです。
▼高校生同士が喧嘩をして、それを止めようとした友達が駅員を呼ぼうと押した
▼高齢女性が「腰が痛いので荷物を持ってほしい」と押してしまった
▼サラリーマンが「どうやって池袋行きに乗ればいいんだろう」と迷って押した
恵俊彰:
よく分かっていないということですよね、人を呼ぶボタンだと思ってる。
鈴木メトロ氏:
鉄道会社がもっと注意喚起を促したほうがいい。今はいろいろなSNSがあるので、もっとお知らせした方がいいと思います。
鉄道ジャーナリスト 梅原淳氏:
車内には「非常通報装置」という通話ができるものがあって、その装置では電車は自動的には止まらない。そちらが注目されると、駅のホームにあるのも同じものではないかと誤解をしてしまいます。確かに告知の問題も難しいのかなとは思いますね。
さらに、迷惑行為が原因で非常停止ボタンが実際に押されたケースとしてーー
▼酔った客が線路に転落した
▼痴漢行為の容疑者が線路に立ち入り逃走した
▼“撮り鉄”のマナー違反で、電車に接触する恐れがあった
という事例もあります。
鈴木メトロ氏:
撮り鉄の方が白線よりも前のめりになって本当に落ちそうになっていたので、一度僕も非常停止ボタンで通報をしたことがあります。いくら電車が好きでも、電車に愛があるならばそういう行為は絶対にやめてほしいですね。
恵俊彰:
はい、その前にはやっぱり注意はしてるんでしょ。
鈴木メトロ氏:
もちろん事前にアナウンスでも2、3回は注意しますし、押さざるを得ない。こちらとしても本当は押したくない。押すだけで音がもう衝撃なんで、心臓に悪いですね。