公共施設の維持管理が難しくなっています。

熊本市議会の委員会で廃止の議案が可決された「老人福祉センター」について、このうちの一つ「河内(かわち)老人福祉センター」を市の担当者が説明に訪れました。

熊本市西区にある河内老人福祉センター。

河内地区では唯一の公共温泉ですが、築およそ50年と老朽化が進み、来年3月末で廃止される予定です。

そのような中、地元の「河内温泉給湯組合」は小規模での建て替えを求めていて、18日に市の担当者がその回答を伝えに訪れました。

熊本市の担当者「経費もかかることもあり、建て替えは行わないという判断」

市は建て替える場合、木造でも1億5000万円以上の費用がかかることなどを理由に組合の求めには応じられないとしました。

一方で市は廃止以外の代替案を示すことができていません。

施設の利用者「(廃止されると)行き場がないわけですよ。何か『こういうこともできますよ』という道を示してもらいたい」

また、今年7月になって初めて利用者たちに廃止の説明があったことについても、反発の声があがりました。

河内温泉給湯組合の役員「(説明開始から)わずか6か月あまりで「廃止しますので賛成してください」(というのは)、『冗談じゃない』というのがみんなの意見じゃないですか」

熊本市の担当者「(他の施設からも廃止までの)「期間が短い」との話をもらっていて、そこは進め方としてまずかったと思っている」

生きがいや健康を守る場であった施設がなくなることに不安を抱く高齢者たち。それに対し、財政面などから容易に建て替えができない市側の事情。

そうした思いが交差する中で、2時間近くに及んだ対話は平行線に終わりました。

河内温泉給湯組合 久家覓会長「市の説明はとにかく「廃止」の一点張り。地元としては廃止では困るというのが利用者のみなさんの意見」

熊本市高齢福祉課 橋本裕光課長「代替(案)というのは非常に難しい部分がある。ただ、できるだけその思いをしっかり受け止めたい」

市営住宅や公民館など市が管理する公共施設は、およそ1600か所。

そのうち、築40年以上のものが3分の1を占めていてその更新が課題となっています。