アメリカ・ニューヨークの地下鉄アナウンスを担当する人の生き方がいま、現地で共感を得ているそうです。
多種多様な人々が行き交うニューヨークの地下鉄。
「ダウンタウン行きの急行列車が到着します。プラットフォームから離れてください」
明るく響き渡る、歌い上げるようなアナウンスの声。この声の背後にある“生き方”に共感が集まっています。
声の主は、バーニー・ワゲンブラストさん(67)。心と体の性が一致しないトランスジェンダーの女性です。2009年からニューヨークの地下鉄のアナウンスを担当しています。自分の「性」を意識したのは4歳、祖母の家の化粧台の前で遊んでいるときのことでした。
NY地下鉄のアナウンス担当 バーニー・ワゲンブラストさん
「ネックレスをして顔にお化粧をしました。祖母には子どもの遊びに見えたかもしれないけど、私は“本当の自分”を悟りました」
バーニーさんは「本当の自分」を打ち明けられぬまま、男性としてプロの声優となりました。結婚もして3人の娘、7人の孫がいます。
それでも子どものころに感じた思いは消えず、去年の末にトランスジェンダーの女性であることを公表しました。人生に悔いを残したくなかったのです。
バーニー・ワゲンブラストさん
「自分の決断を一瞬も後悔したことはない。正しいことをしたと実感しています。私はいま、ずっと夢見ていた世界を生きています」
「男性の声」で仕事をしてきたことには誇りを持っていますが、いまはトレーニングなどを行い「女性の声」だけで日常生活を送っています。
ただ、心がけていることは変わりません。
バーニー・ワゲンブラストさん
「男性の声でも女性の声でも、少しでもフレンドリーな声でありたい。微笑みかけているような声でありたいです。それによって人々の日常が少しだけでも良いものになってほしい」
人々の日常に溶け込む地下鉄のアナウンス。存在が知られるにつれ、バーニーさんの声は新たな意味を持ち始めています。
NY地下鉄の利用者
「その声はニューヨークを象徴しています」
「ニューヨークが大好きになります。どんな人も受け入れられ、みんなの居場所がある感じで」
“自分は多様性の街・ニューヨークの一部”
いま、バーニーさんはそう感じています。
バーニー・ワゲンブラストさん
「人生で初めて“ありのままの自分”で穏やかに過ごせています。長い間隠しながら生きてきたものを、もう隠したくはありません」
バーニーさんのもとには、様々な人たちから「地下鉄に乗るたびに励まされるような気持ちになる」という声が寄せられています。
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