【沈黙と動機と手紙 被告が語った理由】
裁判12回目(11月14日)の被告人質問も被告はずっと黙秘を続けていた。しかし16個目の質問で…

弁護士:「どうして何も話さないのですか」
被告:「社会に戻るつもりがないからです」
裁判を通じて初めての言葉。それは裁判にどのような姿勢で臨んでいるのか、被告の心の一端が伺えた場面だった。
この後の公判では被告は自身の言葉で事件の動機も語った。

弁護士:
「今回の事件、どうして起こしたのですか」
被告:
「色々なことに疲れていたことに合わさって、交際を断られたラインが来て、逃げたくて決心がついて事件を起こしましたね」
そして検察側からの質問で、被告は手紙を書いた理由を明かした。
検察官:「手紙を書いた理由は?」
被告:「反省しているようにみせるためです」
検察官:「反省の気持ちは全く無かったですか」
被告:「よくわからないです」
検察官:「法廷で謝罪しないのは、どうしてですか」
被告:「そのほうが自分にとっていいと思ったからです」
手紙は、「被告の本心」ではなかったのか?それとも、法廷での被告の言葉は「自暴自棄」から出た物なのか、記者にはわからなかった。
この日、被告は検察側、弁護側、それに裁判官や裁判員からの合計220を超える質問、すべてに自らの言葉で説明した。
しかし、被害者や遺族に対する謝罪の言葉は、今回も聞かれなかった。
【長女の意見陳述】
一方、裁判の中で検察は、殺害された夫婦の長女と次女の事件後の様子を明らかにした。