「自分を守るために逃げているとしか思えません」
殺害された夫婦の長女は裁判で被告の態度を厳しく非難した。

長女に交際を断られ、事件を起こしたとされる被告は落ち着かない様子で斜め上を見つめていた。

遠藤裕喜被告は19歳だった2021年10月、甲府市の住宅に侵入し夫婦2人を殺害したうえ夫婦の次女をナタで襲ってけがをさせ、住宅に放火したとして殺人など4つの罪に問われている。
甲府地検は「重大事案で地域社会に与える影響は深刻」などとして起訴した際、改正少年法で「特定少年」と位置付けられた20歳未満の被告の実名を全国で初めて公表していた。
法廷での被告
【初公判】

去年10月25日、甲府地裁で開かれた初公判に被告は、坊主頭に黒のスーツ白のワイシャツを着て法廷に現れた。そして、ややうつむいた姿勢で証言台に立った。

裁判長:
「名前は何といいますか」
被告:
「・・・・・」
裁判長:
「生年月日はいつですか?」
被告:
「・・・・・」
検察官が夫婦を殺害したとする殺人罪などの被告の起訴状を読み上げた後でも…。
裁判長:
「起訴状の内容はその通りですか?間違っていることはありますか?」
被告:
「・・・・・」
被告は終始無言だった。