真実を語らない被告に遺族がした“選択”とは…
逮捕時に知ることの出来なかった“事件の真実”。
倫さんは裁判で被害者参加制度を利用して法廷に立つ決断をしました。
この制度は、2008年から始まったもので、裁判所から許可を受ければ“被害者参加人”として被告に質問したり、意見陳述したりすることができます。

山田翔向さんの父・倫さん
「裁判が開かれてみないと分からない供述とかあると思う、そのときに傍聴席に座っていると何もできない、発言できない、そういうところで後悔したくない」
裁判に参加しない、傍聴席から被告の話を聞く、こうした選択肢もあったにも関わらず、父・倫さんは“やれることはやりたい”という思いから、迷わず制度の利用を決めました。

翔向さんが亡くなる前、姉との最後のやりとりには…
山田翔向さんの姉:「猫の写真を送り合っていました。仲良くて、猫も…」

県外で生活する2人は、富山市の実家で飼っている猫「あお」の写真をよく送り合っていました。翔向さんの写真にも「あお」の姿が数多く映っています。

記者
「事件後、変わらなかったことってありますか?」
山田翔向さんの父・倫さん
「猫、猫はマイペースで羨ましいです。心情的にはもう早く終わらせたい気持ちはどうしてもあります。だからと言って、息子の言いたいことを代弁できないまま裁判が終わるのは避けたい」

友人や同級生は20歳の門出を迎え、多くが新たな進路に歩み出す中、突然止まってしまった息子の時間。裁判で被告が口を開き、真実が語られるのか…
裁判は12月19日から始まります。