◆傍観者はいかにして戦争に巻き込まれていったか
原爆投下という情報を聞いてみんなが動揺する中、ニヒルなはずの山田青年は、何としても勝たねばならぬと鼓舞します。そして8月15日を迎えます。ここまでがマンガの第2巻です。
第3巻は、戦後のことを書いています。戦争に負ける直前の彼の気持ちの「盛り上がり」は、なかなか激しい表現です。このマンガでは、戦争のすごさ、恐ろしさをいっぱい描いておりました。傍観していた人間がどうやって巻き込まれていってしまうのか、がよくわかります。
書籍の「まえがき」には、こうあるそうです。
私の見た「昭和20年」の記録である。満23歳の医学生で、戦争にさえ参加しなかった。「戦中派不戦日記」と題したのはそのためだ。
※ラジオでは時間が尽きてしまったので、読めませんでしたが、マンガの最後はこんな言葉で締めくくられています。
運命の年暮るる。
日本は亡国として存在す。
われもまた
ほとんど虚脱せる魂を抱きたるまま
年を送らんとす。
いまだすべてを信ぜず。
(3巻168ページ)
◎神戸金史(かんべ・かねぶみ)

1967年生まれ。毎日新聞に入社直後、雲仙噴火災害に遭遇。福岡、東京の社会部で勤務した後、2005年にRKBに転職。報道部長、ドキュメンタリーエグゼクティブプロデューサーなどを経て現職。近著に、ラジオ『SCRATCH 差別と平成』やテレビ『イントレランスの時代』の制作過程を詳述した『ドキュメンタリーの現在 九州で足もとを掘る』(共著、石風社)がある。














