「空き家」対策の強化のため、管理が不十分な「空き家」にかかる税金が、最大で6倍となる法律がきょう施行されました。所有者に早い段階での対応を促す狙いがありますが、実効性には課題も。
空き家の所有者
「そのまま土足で結構ですので」
都内に住む60代の男性。所有する物件が1年ほど前から「空き家」になっているといいます。
空き家の所有者
「結構傷みはあるんじゃないかな」
築年数は50年を超え、老朽化が気になる部分もちらほら。それでも処分に踏み切れないのには理由が…
空き家の所有者
「戦前に祖父が転居してきて、苦労して今、私が継ぐ形になっている。心情的にどうしても私の代では手放せない」
少子高齢化などを背景に、国内の空き家の数は年々増えていて、2018年時点で349万戸と、この30年で倍以上に増加。国も倒壊などのおそれがある物件を「特定空き家」に指定して、固定資産税が最大6分の1に軽減される対象から外すなどの対応をとってきました。
これが、きょうからは、窓ガラスが一部割れているなど、このまま放置すると特定空き家になる“おそれがある”物件も、新たに「管理不全空き家」に指定します。状況が改善されない場合は、「管理不全空き家」も固定資産税の軽減措置が無くなり、税金が最大で6倍となるのです。
早い段階での対応を促す狙いがありますが、所有者からは…
空き家の所有者
「解体するにしても、建て替えするにしても、莫大な出費がどうしても発生する。何とかしないと、(固定資産税が)最大6倍になってしまったら大変なこと」
手間も費用もかかる空き家の処理について、注目を集めているのが、民間が展開するサービスです。
「アキサポ」を手がけるジェクトワン 白崎達也さん
「我々の費用で建物をリフォームをし、入居者さんを募ります。問い合わせが増えてきている」
首都圏を中心に空き家事業を手がける企業では、所有者から借り受けた空き家をリフォームし、賃貸物件として貸し出しています。
都内にあるこちらの物件も、オシャレなバーに様変わり。
Bar坂道 土屋明彦さん
「もう古い建物なので、外は『これ大丈夫かな?』と思ったんですけど、中はしっかりしてくれているので良かった」
先ほどの男性も、サービスを使って空き家をリフォームすることを選びました。
空き家の所有者
「母親も苦労して私達きょうだいを育てた地盤はここですから、良い答えが出せたのではないか」
一方で、民間のサービスを広げるためには課題も多いといいます。
ジェクトワン 白崎達也さん
「(想定より事業者側の)工事費が膨らんでしまうことがあるので、参入が難しいと考える事業者は非常に多い。空き家事業の利益に関しては、税金の減免があったりとかサポートがあると」
空き家問題を解決するためにも、国による支援の充実が求められます。
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