宇宙での暮らしに一歩前進です。岡山大学は、「人類の活動領域が将来宇宙にまで拡大」することを踏まえて、月で自給自足するための研究を進めてきました。
しかし、月には生育に必要不可欠な「炭素」や「窒素」などはほとんど存在しません。そこで目をつけたのが、小惑星「リュウグウ」です。研究チームは「リュウグウ」の砂に炭素や窒素などが多く含まれていることを独自に分析。
「リュウグウ」の土を月に持ち込めば、その土で野菜が育てられるのでは。そんな可能性を探る実験を行いました。

(岡山大学 那須保友学長)
「月に住むための研究をするというのは非常に夢がありますし、決して夢物語ではもうないと」

岡山大学の研究チームは、これまで小惑星「リュウグウ」の砂に生命の源とされるアミノ酸23種類などが含まれていることを解明しています。

そして今回、「リュウグウ」の砂と同じ成分を再現した土で、レタスなどの野菜を育てたところ、水耕栽培したものと比べると小さいものの、野菜を生育させることが出来たと発表しました。

宇宙に存在する土で作物を育てられる可能性を示し、人類が将来 月で生活することに一歩近づいたといいます。

(岡山大学 惑星物質研究所 中村栄三特任教授)
「現場で自給自足出来る可能性が出ると、人類はそこに行けるという自信につながるので、そこに向かってみんなと協力していけたら」

研究成果は先週、倉敷市で開かれた学会でも発表され、生育した野菜のサラダが出席者らにふるまわれました。

(スタジオ)
サラダを試食した中村特任教授は「若干辛口で苦みがあったが美味しかった」と話していました。
今回は成長スピードが早い野菜を選んで栽培したということですが、研究結果などを踏まえて、今後はニンジンや芋など様々な作物にも挑戦していきたいということです。人類が宇宙で自給自足する日が来るのか、夢が膨らみます。