沖縄の旧石器時代の貴重な資料を紹介する企画展が那覇市で始まり、南城市のサキタリ洞遺跡でみつかった国内最古級の人骨が、初めて公開されました。

12日に開幕した企画展「旧石器時代の人類」は、海を越えて琉球列島に到達した人類について、最新の調査結果をもとに紹介するものです。

会場では、旧石器時代の人類の骨や石器をはじめとする道具、芸術に関するものなどおよそ330点が展示されていて、人類の身体や文化的基盤がどのように形成されていったのかが説明されています。

このうち、2014年に南城市のサキタリ洞遺跡から見つかった「サキタリ洞人1号」は、埋葬された人骨としては国内で最も古い部類に入る、9000年以上前の人骨で、今回初めて全身の骨格が公開されました。

鎖骨や腕の骨が長く、肩回りが頑丈であることや身長が160センチ台の半ば以上あるとみられ、これまで知られてきた港川人など、沖縄の旧石器時代の人の小柄な体つきとは、大きく異なっています。

また、加熱した痕がある海産物や、顔料がついた装飾品など、サキタリ洞遺跡で出土した資料も展示されていて、沖縄の旧石器時代の人類の暮らしぶりを具体的な資料に基づいて知ることができます。

県立博物館・美術館 澤浦亮平学芸員
「数万年以上前の、沖縄に最初にやってきた人たちが、こんなにも自然の恵みを巧みに利用していた」「遠い過去とはいっても、自分たちとのつながりが強く感じられるような、そういったことを見ていただきたいと思っています」

企画展「旧石器時代の人類」は、2月12日まで県立博物館・美術館で開かれています。