「当たり前の生活」とは何か?北朝鮮による拉致の疑いが指摘されている特定失踪者、新潟県 長岡市の中村三奈子さんの母クニさんが三奈子さんの母校で授業を行いました。

【中村クニさん】「(三奈子さんは)新しい学校へ来るということで最初は非常に緊張していたんですけど、皆さんのような4年生の仲間に入れていただいて本当に元気よく小学校に通いました」

付属長岡小学校で開かれた授業。中村クニさんの話を聞くのは娘の三奈子さんがこの学校に転校してきたときの学年と同じ、4年生の児童です。

「家族愛」をテーマにしたこの授業は、拉致問題や家族との絆について考えてもらおうと3年前から開かれています。

【中村クニさん】「『いってまいります』ときょう声をかけて来た人、手を挙げてください。三奈子からは『ただいま』も『おやすみなさい』もこの25年間、声を聞くことができません」

1998年、当時18歳だった三奈子さんは予備校の入学金を納めるため自宅を出た後、行方が分からなくなりました。

25年もの間、娘を探し続けているクニさんは、子どもたちに『当たり前の生活』とは何か、問いかけました。

【中村クニさん】「家族があってお友達があって、色々な人たちと関わりあって『当たり前の生活』ができているんじゃないかなと。『当たり前の生活』がずっと続くとどんなに幸せかと思いますけど、北朝鮮に拉致された人の中にはこういう『当たり前の生活』がまだまだ戻ってきていません」

【児童は】「拉致問題はとても悲しいことで、本人だけじゃなくて家族、友達、先生など色々な人が悲しむことだなと思いました。

【児童は】「もしも自分にこんなことが起きたら凄く悲しい思いをすると思うし、私たちを見守ってくれる人たちに感謝の気持ちを伝えたいです」

「きょう家に帰ったら、今まで以上に元気よく『ただいま』と言ってほしい」。クニさんはそう語り、子どもたちは家族との関わり方についても考えていました。