中国政府は、台湾産の果物「釈迦頭」について、輸入業者を大幅に増やすと発表しました。「釈迦頭」の産地は野党、国民党の地盤で、来年1月の総統選を前に国民党を支持すれば経済的利益があるとアピールする狙いがあるものとみられます。

中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は8日、台湾産の果物「釈迦頭」について、およそ1300の業者に対し、中国への輸入を認めると発表しました。

「釈迦頭」をめぐってはおととし9月、「害虫が検出された」として突如、中国への輸入が禁止になりましたが、今月から再開されていました。

今回の措置について台湾事務弁公室の報道官は、「台湾独立に反対し、中国の検査基準に従っている限り、農水産物の輸入再開を支持する」と説明しています。

「釈迦頭」の生産が盛んな台湾南東部の台東県は、中国に対し融和的な政策をとる野党・国民党の地盤で、今回の措置の背景には、国民党を支持すれば経済的利益があるとアピールすることで、与党・民進党を揺さぶり、政治的圧力をかける狙いがあるものとみられます。