■なぜかいじめに巻き込まれる子どもたち
ある小学6年生の女子生徒は、仲良し6人グループへのLINEのメッセージをきっかけに、いじめの対象になった。しかし、グループ内でいじめの対象は次々と移り変わり、最後はリーダーだった女子生徒への猛烈ないじめに発展した。
今、学校で子どもたちは「いつでもいじめの対象になり得る」緊張感に包まれているという。
日本の子どもたちの精神的幸福度は低い。ユニセフ(国連児童基金)によれば、先進国38カ国でワースト2位。理由の一つは、いじめだ。今月私がポプラ新書で上梓したタイトルの通り、日本では『なぜかいじめに巻き込まれる子どもたち』という状況が放置されている。
(TBSテレビ「報道特集」ディレクター川上敬二郎)

■LINEグループ たった1文字のミスで…
関西地方に住む小学6年生の花子は、母親からスマホを借りてLINEを始めたばかりだった。仲良し6人グループ内で日々、チャットを楽しんでいたある日、グループのリーダー役・A子から遊園地のお土産としてクマのぬいぐるみをもらった御礼を書き込んだ。クマの写真をアップして、「このぬいぐるみ、かわいくない」と。
すると全員既読になったのに誰からも返信がなかった。翌日から学校でも無視されるようになった。
何が問題だったのか。花子は文末に「?」をつけ忘れたのだ。A子は花子がいない新たなLINEグループを立ち上げ、いじめは進行していった。
早ければ2週間 次々と変わるターゲット
だが、グループのいじめはこれで終わらなかった。