高知市の小学校で、児童たちがまちを歩いて「防災」について学びました。児童たちは「災害の危険」だけでなく“地域の魅力”も感じ取ったようです。
防災について学んだのは、旭小学校の5年生です。児童たちは総合学習の一環で地域の防災について勉強していて、7日は防災教育などを専門とする高知大学の大槻知史(おおつき・さとし)教授が講師を務めました。
学校周辺は、南海トラフ地震が発生した際、「最大震度は6強」、そして、「震度3以上の揺れが3分ほど続く」と想定されています。地震のみならず、大雨による浸水や土砂崩れなども想定される中、身近な地域にどんなリスクが潜んでいるのか、実際に歩いて確認します。
(高知大学 地域協働学部 大槻知史 教授)
「ここはちょっと低くなっている。道(電車通り)の方が高い。もし鏡川の水が道を乗り越えてきたら一気にダーッとくる。だから、そういう水害のリスクも考えなければならない」
だんだん歩いていくと新たな発見も…
「先生、あそこのやつがグラグラしてこっちに倒れてくるかも!」
「先生、この(歩道の)段差も危ない!」
地震で塀が倒れたり、大雨で浸水・土砂崩れが起きたり…
さまざまな「危険」は見つかりましたが、大槻教授はもう1つ「大切なこと」があるといいます。
(高知大学 地域協働学部 大槻知史 教授)
「水路も山もなかったら安全。でも、そんな通学路って楽しい?例えばこの水路も鏡川から水が来てアユが泳いでいることもある。『危ない場所が全部悪い』というわけではなく、危ない場所もあるけど、きれいな景色がある。『いろんなものがある旭地区を楽しむ』そのために、危ない場所をちゃんと見つけておきましょう」
続いてやってきたのは、公民館。
ここは、住民の男性が所有する建物を自費で改修し“自治公民館”として開放していて、児童たちは、災害時に必要な発電機の操作を体験しました。
学校の近くにこうした場所があることも地区の1つの“魅力”。児童たちはきょう1日でさまざまなことを学んだようです。
(児童)
「地震が起きたときに、ブロック塀や瓦とかに近づかないようにすることがわかった」
「ブロック塀の近くにいて地震が起きた時に、すぐに判断できるような行動をしたい」
(高知大学 地域協働学部 大槻知史 教授)
「災害は危ないんだけど『自然の恵みと裏腹』なので、災害を怖がるだけでなく、地域の通学路の魅力や地区全体の魅力も楽しみながら、防災に備える。そこを伝えたい」