訪問看護事業の診療報酬や、障害者などの就労支援事業をめぐる補助金を不正に受け取ったと、一部で報じられている中城村の福祉事業所。6日に理事長は会見で否定しましたが、RBCは元関係者に取材を行いました。
一般社団法人「みらい」の元関係者が取材に答えた内容から、疑惑は大きく分けて2つあります。
1つは、利用者の自宅などで行なわなければならない「訪問看護」を事業所で行なった、診療報酬の不正受給の疑いです。
訪問看護は、病気やケガをした人に対し、その人の自宅など普段の居場所において看護師などが行う療養上の世話をしたり診療を補助することと定められています。
しかし「みらい」の関係者によると、訪問看護を受ける月におよそ40人の利用者のほとんどが、自宅などではなくグループ企業である「キララ」の事業所などで血圧の測定など短時間の看護を受けてきたといいます。事実であれば、診療報酬を受け取る要件から外れることになります。
こうした証言に対して、会見した稲嶺理事長の主張は異なります。

およそ40人の利用者のうち自宅以外で「訪問看護」しているのは8人ほどで、他は自宅などで看護していると話しました。
一部、自宅以外での「訪問看護」があると認めた形ですが、「利用者の要望に答えた」と主張しているほか、ほかの事業者にも似た実態があるのて不正ではないと、主張しています。
もう1つは、市町村からの補助金の不正受給の疑いです。一般企業に雇用されることが困難な障害者などに就労の機会を提供する「就労継続支援事業」をめぐる問題です。
関係者によると、就労継続支援「B型」を提供する事業者には、1人が1日就労するにあたり5千円から6千円の工賃が補助されるそうですが、「みらい」では、実際に就労した日数よりも水増しした実績を報告し、市町村からの補助金を不正に受け取ってきたとRBCの取材に答えています。

関係者は、月に1日も働いていないのに月におよそ20日働いたとされて、およそ1万5000円が振り込まれたことがあると証言しています。
一方、稲嶺理事長は就労支援事業に関する不正は一切否定し、通所しなかった利用者には「在宅で働いてもらった」のだと話しています。
働いた認識がないのに工賃が振り込まれたとする関係者の証言とは隔たりが大きく、さらなる具体的な説明が必要だと思います。