岡山県吉備中央町の浄水場から有害性が指摘されている有機フッ素化合物が極めて高い濃度で検出された問題です。水質検査などを経て、住民が水道水を飲み水として利用できるようになってから1週間あまり…。町は、問題発覚以降に開設された仮設の給水所の役割が終わったとして、きょう(30日)閉鎖することにしました。これに対して住民からは「閉鎖は時期尚早」といった不満の声が多く聞かれました。

これまで1日30人~40人が利用していた吉備中央町の給水所です。

最終日となったきょう(30日)も、朝から大勢の地域の住民が訪れていました。

聞かれたのは、「給水所を閉鎖するのはまだ早い」という声です。

(住民)「水道水を飲むのが心配ですね。もうちょっと給水はしてほしいですね」

(住民)「やっぱり1年くらいは給水をしてほしい」
(記者)「あすからはどうされるんですか?」

(住民)「しょうがないわ。毒水を飲まないと」

吉備中央町では去年までの3年間、円城浄水場で発がん性などが指摘されている有機フッ素化合物・PFASが、国の暫定目標値の16倍から28倍検出されていました。

町はこの結果を受け、先月16日から、浄水場から水を送っている522世帯に対し、飲み水として水道水を利用しないよう呼び掛けるとともに、町内に給水所を設け、水を配ってきました。その後…。

(吉備中央町 山本雅則町長)「(飲み水としての)使用制限を解除したところです」

今月22日、町は浄水場の水源を切り替えた上、水質調査でも安全が確認できたとして、再び水道水を飲み水として利用できるようにしたと発表。

一方で、その日の夜に開かれた住民説明会で、去年の健康診断の結果をほかの地区と比べたところ、健康への影響は見られなかったと報告しましたが、住民からは「説明が不十分」という声が相次ぎました。

それから1週間あまり…給水所は役割を終えたとしてきょう(30日)、閉鎖されることになったのです。

ただ、飲み水として使うのに抵抗がある住民も未だ多いため、町ではあす(12月1日)からも当面の間、1人につき、ペットボトル2本を配ることにしています。これまで無制限に持ち帰る事ができた水…ペットボトル2本だけでは足りないという声も聞かれました。

(住民)「あすからは今もらったのがなくなったら、買いに行きます水を。

直接子どもたちが食べるものに入れるものはまだ当分の間買いに行きます。半年経っても一年経っても大丈夫ってなったら、水道水を使うようにしようと思っていますけど、今現在で水道の水を使うのはまだちょっと抵抗がある」

町への不信感もあり、ぬぐえない不安…。町では今後も、住民説明会を開き、飲み水の安全性などを改めて伝えていきたいとしています。














