プロ野球・楽天の安楽智大(27)による、複数選手へのハラスメント行為の疑いが浮上している問題で30日、森井誠之球団社長が会見を行い、安楽を契約保留選手名簿(12月1日公示)から外したことを発表した。契約保留選手名簿とは、球団が来シーズンも引き続き選手契約を結ぶことを予定している選手の一覧のことで、これにより安楽は自由契約となった。
会見の初めに森井球団社長は「ファンの皆様、関係している全ての皆様方に多大なるご心配、ご不安を与えてしまいましたことを、このような事態になりましたことを大変深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」と深々と頭を下げた。
球団は今月25日から全選手、コーチ、スタッフに対してアンケートを実施。その後、アンケート結果をもとにヒアリングを実施し、本人への確認を行ったという。「専門家の意見もいただきながら、調査確認を慎重にすすめてまいりました。その結果、これまで報道がなされていた事象について安楽選手に関してほぼ事実ということが判明いたしました」とした。
森井球団社長は「ハラスメントの定義は、厚労省のものと照らしあわせたもの、該当するケースが多い」と話し、「球団としては見過ごすことのできない重大な事象ととらえ、本日提出期限であります保留選手名簿への記載をしないという結論にいたりました」と決断を下した。
自宅で無期限謹慎となっている安楽に「自由契約となりますという話をさせていただきました。そのときの反応としては『かしこまりました』と、(安楽は)自分としては、とにかく謝罪をしたい」と話したという。
森井球団社長は会見で涙を堪えながら「彼の将来をすべて否定するものではない。今後の行動、行い、我々の所属した選手なのでしっかり見てあげたい。本人が謝罪したいというのを全力でサポートする」と話した。
アンケート調査では、安楽によるハラスメント行為の被害者は約10人、「見た」「聞いた」と答えた人物は約40人にのぼった。「多いというところは非常に重く捉えております。誰に言うべきか、すぐ相談する相手がいるのか、そういう窓口があるのか、それがないということに対して、非常に重く責任を感じております」と話した森井球団社長。「窓口は当然のことなんですが、日々のヒアリング面談そういったものっていうのも、個別にやれる機会というのをやっぱり定期的に設けていく必要があるなというふうには思っております」と再発防止の対策も明らかにした。