2001年、大阪府の小学校で起きた無差別児童殺傷事件の被害者遺族が27日、高知市で講演し、「遺族の思いを把握して具体的な支援を提案していくことが重要」だと話しました。
「私たちはあふれ出る涙をこらえることはできませんでした。傷ついた身体で50mも移動し倒れた後も最後まで力を振り絞り一歩でも進もうとした麻希。その姿が我々両親の目の前にあざやかな幻影となって現れるようでした。麻希の最後の気持ちにやっとふれることができたと思いました」
27日、高知市で講演したのは大阪府に住む酒井肇(さかい・はじめ)さんです。酒井さんは、2001年6月、大阪府の大阪教育大学附属池田小学校で起きた無差別児童殺傷事件で当時小学2年生だった娘の麻希さんを亡くしました。
酒井さんは事件当時を振り返り、「朝、学校に行くのを見送った娘が被害に遭っているなんて思いもしなかった」ことや、「娘が最後まで前に進もうとしていたことを警察によるDNA鑑定で知ったことが一番の支えになった」ことなどを伝えました。
講演会には警察学校の初任科生や、国や県の職員などで構成する犯罪被害者を支援する協力会のメンバーらおよそ100人が参加し、熱心に聞き入っていました。
(酒井 肇さん)
「支援を受けた当人がこういった被害者支援を受けましたと話すこと自体が重要ではないかと感じた。被害者の置かれている状況をよく理解して、その思いを把握して、そのための具体的な支援を提案していくことが重要。何か思うことがあれば実際に何か考えることがあれば、考えたこと、思ったことを行動に移していただきたい」














