日頃、ニュースで事件や事故をお伝えした際、加害者側のその後の裁判などをお伝えすることはありますが、被害者側のその後についてお伝えすることはほとんどありません。

事件や事故の被害者をどう支援していくのか、その制度の現状と課題について、当事者の声とともにお伝えします。

頭の中に 胸にも 黒いボウリング球を入れてるような

(高田 香 さん)
「一番つらいと思ったのは、私がどんなに努力をしたとしても、謙真は帰ってこないという現実でした」

宮崎市で行われた犯罪被害者支援フォーラム。
東京都在住の高田 香 さんがおよそ300人を前に講演しました。

(高田 香 さん)
「けんちゃんはですね、笑うと右のほお、にえくぼのできるかわいい男の子で・・・」

2016年、当時小学1年生だった高田さんの長男、謙真くんは、下校途中、トラックにはねられ、亡くなりました。

(高田 香 さん)
「(当時)悲しいのか寂しいのかっていう自分の感情が分からなくなって、例えて言うなら、頭の中にボウリングの黒い球を入れられてるのと、あと、胸にもその黒いボウリング球を入れてるような重い気分だったんですね。ずっと『自分が生まれてこなければよかった』とか、『加害者が生まれてこなければよかった』と考えても仕方ないこと、ぐるぐる頭がおかしくなっちゃうような感じだったんですね」