イスラム組織ハマスは4回目の人質解放を実行し、イスラエル側も拘束していたパレスチナ人を釈放しました。パレスチナ自治区ガザでの戦闘の一時停止は2日間の延長で合意したということで、さらなる延長が期待されています。

イスラエル軍は、ハマスと合意した戦闘の一時停止の最終日となる27日深夜、拘束されていた人質のうち、3歳の子どもを含む11人が解放されたと発表しました。仲介役のカタール政府によりますと、3人はフランス国籍、2人はドイツ国籍、6人はアルゼンチン国籍も保有しているということです。

24日からの戦闘休止でこれまでにハマスが拘束した人質のうち69人が段階的に解放され、イスラエル側もパレスチナ人150人を釈放しています。

カタール政府は、戦闘の一時停止が2日間延長されることで合意したと発表。ハマス側も、これまでと同じ条件のもと、イスラエルとの戦闘停止を2日間延長することで、カタール、エジプトと合意したと明らかにしています。

これを受け、国連のグテーレス事務総長は。

国連 グテーレス事務総長
「戦争の暗闇の中で希望と人間性を垣間見ることができました」

戦闘停止の延長を評価しましたが、「追加された時間を費やしたとしても、ガザ住民のニーズを満たす支援は不可能だ」と強調。対話を継続することで、完全な人道的停戦を実現するよう求めました。

そして、アメリカのバイデン大統領は声明で「合意が引き続き成果を生むために、私は深く関与してきた」とした上で、すべての人質が解放されるまで全力を尽くす姿勢を示しました。

アメリカ政府高官は、依然として8人か9人ほどのアメリカ人が拘束されているとの見方を明らかにし、「戦闘の一時停止のさらなる延長を望んでいる」としています。

また、アメリカ国務省によると、ブリンケン国務長官は今週、再びイスラエルを訪問するということで、人質の解放交渉や人道支援のほか、今後の軍事作戦についてもイスラエル側と話し合うものとみられます。