26日までの4日間行われた男子プロゴルフツアーカシオワールドオープン、今年も熱い戦いが繰り広げられました。大接戦を制し、初優勝したのは鍋谷太一(なべたに・たいち)選手。また賞金王もこの大会で決定しました。

高知県芸西村のKochi黒潮カントリークラブで26日までの4日間行われたカシオワールドオープン。予選ラウンド、人気を集めたのはやはり大会ホストプロの石川遼。この大会では過去に3度、2位に入っていて、今回は悲願の優勝を目指して臨みました。

初日は3オーバー。巻き返しを狙った2日目も我慢のゴルフが続きます。石川は、1オーバー74位タイに終わり、決勝ラウンド進出はなりませんでした。

ところでカシオ所属の石川プロは「ゴルフだけなく勉強への取り組みもサポートしたい」という思いから、毎年電子辞書の寄贈を行っています。今年は、昨シーズン獲得したバーディー数と同じ=291個が南国市の十市小学校高知市の久重小学校に寄贈されました。

続いて高知県関係選手です。片岡大育(かたおか・だいすけ)は、初日5アンダー、明徳義塾高校出身の杉山知靖(すぎやま・ともやす)は6アンダーと好調な滑り出し。ギャラリーからも熱い声援がおくられます。決勝ラウンドに駒を進めた2人は、その後大きくスコアを伸ばすことはできませんでしたが、数々の好プレーを見せ会場をにぎわせました。

大会では、ギャラリーを楽しませるイベントも充実。3日目にはプロが小学生に直接指導するジュニアクリニックも行われました。県内外から子どもたちが訪れ、ホールアウトしたプロがクラブの振り方などを教えていました。

(参加した子ども)
「ダウンスイングのとき変なスイングだったのでそこを直してもらいました」
「ジャンプをして準備することを教えてもらいました。うれしかったです」
「貴重なことを教えてくれたのですごくいいと思いました」

シーズン終盤のビッグトーナメントとあって全国から大勢のギャラリーが集まったカシオワールドオープン。決勝ラウンドは大接戦となりました。14人が首位と3打差以内につけて迎えた最終日。多くの選手がグリーンの速さに苦戦しスコアを伸ばせません。

混戦模様のまま勝負はバックナインへ。ソンヨンハンや24歳で初優勝を狙う米澤蓮(よねざわ・れん)らがバーディーを重ね追い上げを見せます。賞金王争いにも注目が集まりました。賞金ランキング1位の中島啓太(なかじま・けいた)は、この大会で2位の金谷拓実(かなや・たくみ)、3位の蝉川泰果(せみかわ・たいが)に負けなければ、賞金王が決定します。

その中島の、最終18番。見事なチップインイーグルで12アンダーとし、最終組の金谷を待ちます。その金谷は、トータル10アンダー、7位タイでそして蝉川は9アンダー、10位タイでフィニッシュ。この大会、4位となった中島が初の賞金王となりました。

大会を制したのは、鍋谷太一(なべたに・たいち)でした。15番、17番をバーディーとし、迎えた18番。セカンドショットはグリーン奥のバンカーに。しかしこれをピンそばまで運び…見事、バーディー。27歳の鍋谷太一、16歳のプロ転向後、悲願のツアー初優勝を飾りました。

(鍋谷太一 プロ)
「泣かないだろうなと思っていたんですけど(パットを)入れた瞬間涙が出てきて信じられない気持ちです。家族や今まで支えてくださった人、誰かひとりでも欠けていたらこの優勝はなかった。プロゴルファーをやめたい、やめようと思ったこともあったし、それを乗り越えてこういう瞬間があると自分を信じて頑張ってきて良かったと思います」