浮かんだ詩の意味は

(左)友人 (右)サフィウーラさん=帰省した時の様子(カブール郊外・8月)

 今年8月の夏休みに、パスポートの更新手続きのため、カブールに帰省しました。故郷では母の手料理を久しぶりに食べ、大好きなおじいちゃんの家に行って土産話をして、友だちと川遊びをして、のんびり過ごしました。

 「アフガニスタンの景色が好きです。山、川、空。雪も降ります。北海道の景色も好きです。日本人は優しいです」

 冒頭で紹介した詩は、今年の元日、苫小牧の自宅で父と過ごしていた時、ふと浮かんだそうです。とても穏やかな時間だったそうです。

「あなたの瞳の中で生き、あなたの腕の中で死に、あなたの心に埋もれたい」

学校の名札=「咲風宇良」の漢字は日本語担当の教諭が充ててくれた

 故郷では、現在、詩作や芸術活動は厳しく制限されています。そのこととサフィウーラさんが詩を作ることに関係はあるのか、詩の中に出て来る「あなた」とは誰なのか、私はその質問をまだできないでいます。

 そもそも政変が起きた国の少年が、こんなにも近くにいて、こんなにも長い時間をかけて通学していることに、私の驚きはまだ収まらず、その時をもう少し待とうと思います。