パリ五輪マラソン代表2人がエース区間の3区を走る。
女子駅伝日本一を決めるクイーンズ駅伝が11月26日に、宮城県松島町をスタートし、仙台市にフィニッシュする6区間42.195kmのコースに25チームが参加して行われる。前日の25日に監督会議が行われ、区間エントリーが決定した。10月15日のMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ。パリ五輪代表3枠のうち2人が決定)で優勝した鈴木優花(24、第一生命グループ)と、2位の一山麻緒(26、資生堂)がともに3区(10.6km)にエントリーされた。

MGCから1カ月半。2人とも万全の状態に仕上げられたわけではない。8月の世界陸上ブダペスト10000m7位入賞の廣中璃梨佳(23、JP日本郵政グループ)の爆走も予想される状況のなか、MGCを勝ち抜いた経験をどう駅伝に活かすかが注目される。

3区で直接対決も“お互いは意識しない”

MGCでは23kmでスパートした一山を、鈴木が38km過ぎで逆転して優勝した。一山も抜かれた後に粘り、細田あい(27、エディオン)の追い上げを退けて2位を確保した。

MGCの再現を期待してしまうが、2人ともお互いのことは意識しない。前日に行われた会見で次のように話した。
一山「鈴木さんへの意識は特になくて、目標である2連覇に向けてチームみんなで頑張ってきたので、2連覇だけを考えて走ります。私は3区で、任された走りを精一杯するだけです」
鈴木「私も一山さんを意識するよりも、チーム全体で戦う気持ちで1年間みんなで準備してきたので、それをしっかり形にしたい。その気持ちを大事にして、私は3区で今できる精一杯の走りで仕事をまっとうします」

チームの成績を最優先に考えて走るが、2人が近い位置で走ったり、先頭争いをしたりする可能性は十分ある。資生堂は世界陸上10000m代表だった五島莉乃(26)を、第一生命はアジア選手権10000m優勝の小海遥(20)を1区(7.0km)に起用。今季の実績ではこの2人が区間賞候補だ。

小海も昨年のプリンセス駅伝3区区間賞選手だが、クイーンズ駅伝5区(10km)区間記録保持者で、2年連続区間賞の五島がロードの実績で勝る。1区に樺沢和佳奈(24)の三井住友海上や安藤友香(29)のワコール、2区に世界陸上5000m代表だった山本有真(23)の積水化学らも序盤が強い。だが一山にトップでタスキが渡る可能性は大きい。そうなればMGCと同じように、鈴木が一山を追う展開になる。

走りの内容はMGCとは異なるが、1カ月半前と似たシーンが再現されるかもしれない。