■リトアニアによる鉄道規制

核の脅威への緊張が高まる

一方、鉄道輸送の規制に乗り出したバルト三国のリトアニアは、NATOとEUの一員であり、根強い反ロシア意識を持っています。あくまで、今回の規制はEUの制裁に沿ったものですが、今回、規制された鉄道が通るリトアニアのヴィリニュス駅には、ウクライナ侵攻の被害を伝えるポスターが展示されるなど、ロシアに対して、厳しい姿勢を示しています。対するロシアは、同盟国・べラルーシとともにリトアニアを厳しく批判しています。ロシアは、カリーニングラード同様、ベラルーシにも、核弾頭を搭載可能なミサイル「イスカンデル」の配備を表明するなど、バルト三国をはじめ、NATO諸国を牽制する動きを強めています。

■広がりを見せるNATO戦略概念も変化した歴史的転換点

フィンランド、スウェーデンを新たな加盟国とする方針を固めた上で、ウクライナへの侵攻を続けるロシアを「最も重大で直接的な脅威」とするなど、対決姿勢を鮮明にしたNATO。

NATOの勢力が拡大する中、新たな冷戦への懸念が高まっています。(2022年7月3日放送「サンデーモーニング」)