■フィギュアスケート・グランプリ(GP)シリーズ第6戦 NHK杯(24日、東和薬品ラクタブドーム)

男子シングルのショートプログラム(SP)が行われ、フランス大会3位の鍵山優真(20・オリエンタルバイオ/中京大)が今季世界最高の105.51点をマークし、首位スタートを切った。大会3連覇を狙う宇野昌磨(25、トヨタ自動車)は100.20点の2位で25日のフリーに挑む。

鍵山は昨季、左足首のケガの影響で全ての国際大会を欠場。初のGPファイナル進出を狙う鍵山は、中国杯で宇野が記録した105.25点をわずかに上回った。今大会、宇野は2位以内(3位の場合、合計249.15点以上)、鍵山は優勝(2位の場合、合計255.99点以上)で自力でのファイナル進出が決まる。

鍵山はこの日7番滑走で演技。冒頭の4回転サルコウは余裕を持って着氷し、GOE(出来栄え点)3点台を引き出し勢いに乗ると、続く4回転トウループー3回転トウループも決める。後半のトリプルアクセル(3回転半)も危なげなく降りると、ロック調のSP曲「ビリーバー」に合わせ、ダイナミックなステップ、スピンを披露し、全てレベル4を獲得。演技後は両手で渾身のガッツポーズをみせ、自国開催のGPシリーズで圧巻の演技をみせた。

ショートを終えた鍵山は「ノーミスの演技ができたことがうれしい、それが自国のみなさんの前で出来たので思わずガッツポーズを」と話し、自身初のファイナルに向け「まずは(GPシリーズ)第1戦、2戦と満足する演技をしなければ。いい演技をした結果、ファイナルに行ければうれしいですけれども」と明日のフリーを見据えた。

最終滑走の宇野は、冒頭で4回転フリップを降りると、続く4回転ー3回転の連続トウループも着氷するが回転不足を取られる。3本目のトリプルアクセルは余裕を持って決めた。終盤は流れのあるステップとスピンで観客を沸かせ、最後まで安定した滑りをみせた。回転不足などで少し得点が伸びず、得点は鍵山に5.31及ばず2位。

宇野は「(今日の演技は)良かったなと思います。今できる申し分ない演技かと。僕はこの結果とこの内容に満足してます。みなさんがどのような意見になるのか楽しみです(笑)」と振り返った。「僕が点数が低かったというよりも(鍵山)優真くんがすごかったということだと思います」と鍵山の好演技を称えた。

日本勢最初の2番滑走で登場した壷井達也(20、シスメックス)はNHK杯初出場。4回転サルコウを降りるも回転不足となり、トリプルアクセルはこらえながら着氷。また3回転ルッツートウループの連続ジャンプで転倒してしまい、12人中最下位で25日のフリーに挑む。

【男子ショート結果】
1位)鍵山優真 105.51点
2位)宇野昌磨 100.20点
3位)ルーカス・ブリッチギー 86.42点
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12位)壷井達也 64.63点