世界が注目する台湾総統選挙。24日に立候補の締め切りを迎えますが、いまだ候補者の顔ぶれが決まらない異例の事態となっています。こうしたなかで、中国に対する台湾市民の複雑な胸の内を取材しました。
強まる中国の圧力に市民は「本来の『生き方』を守れるよう…」

青空の下に広がる果樹園。育てられているのは、仏さまの頭に似ていることから、「釈迦頭」と呼ばれる果物です。
濃厚な甘みと瑞々しさが人気の台湾南部の名産品ですが、2年前、中国が突如輸入を禁止にしました。

果樹農家 張勝堯さん
「禁輸されるまでは6、7割を中国に輸出していました。ようやく収穫できるという時期だったので、どうしていいのかわかりませんでした」
中国と距離をとってきた現在の蔡英文政権に向け、強められた圧力。
輸出が制限されたことによって、経営悪化で農業をやめたり、別の作物に転換する農家も出ました。
果樹農家 張勝堯さん
「中国一辺倒はもうなくなったので、もっと多くの国に輸出できるようにしていきたいです。日本でも少しずつ、釈迦頭が受け入れられてきています」

中国の圧力は水産物や観光などの分野でも行われたほか、より直接的な軍事面でも強まっています。
9月には、1日では過去最多となる103機の中国軍機が台湾の防空識別圏に侵入。中国の空母も台湾近海で訓練を実施しました。

台湾では若い世代を中心に中国の影響力が強まった香港のように自由や民主主義が脅かされるのではないかとの危機感も高まっています。
台北市の病院で働く28歳の医師の男性はこう話します。

医師 江政家さん
「台湾の人たちは香港の姿を見て、いつか自分たちの身にも起きたら、どうするべきなのかと考えます。私の周りでもそうですが、台湾の多くの人たちは自分たちの本来の『生き方』を守れるようにと願っています。その『生き方』は、今の『日常の暮らし』と『民主的な制度』です」














