
(柏崎冨雄さん)
「最初はいい絵を選んで作る考えはなかった。これ(ダイヤモンドアート)そのものに興味があったので、ぼけ防止で何でもいいと思ったの」

ところがもともと凝り性で几帳面な性格の柏崎さんは、めきめきと腕を上げていきました。
(柏崎冨雄さん)
「最初のころ作ったのはね、線がまっすぐにならない。いくらまっすぐにしようと思ってもまっすぐにならないの。これが曲がったら格好悪いでしょ。遠くから見ればいいんだけど。今はね、黙ってでもまっすぐになる。もうプロみたい」

1枚の絵に使うビーズはおよそ3万個。完成まで1か月かかります。これまでに作った作品は風景や世界遺産など40点に及びます。



娘の佐紀子さんは東日本大震災の津波で被災した家を再建したのを機に、父親と暮らし始めました。ダイヤモンドアートは父と心を通わす絆でもあります。

(娘の佐紀子さん)
「何もしないでぼーっとしてると二人で過ごしているのでマイナスな話ばっかり出てくるけど、こういう趣味を持っていると、『ここまでできた』とか、『ここは間違っている』とかいう会話も出てくる。それ以外は会話はないので。合う話が」

これまで作ってきたのは風景画がほとんどですが、柏崎さん、ぜひ取り組んでみたい作品があるといいます。
(柏崎冨雄さん)
「今度はアニメ(キャラクター)みたいなの作っぺと思って」
大槌町のダイヤモンドアート作家、柏崎冨雄さん、90歳。アートを生み出す意欲と創造力はまだまだ衰えることはありません。
