「ダイヤモンドアート」と呼ばれるモザイク画の世界に心を奪われた90歳の男性が岩手県大槌町にいます。意外なきっかけで始めたというその芸術の魅力とは。
「これは3年前に作りました」

雪を頂く岩手山と、青空を背景に満開の花を咲かせる一本桜。
この絵は、小さなビーズを台紙に貼り付けて描いた「ダイヤモンドアート」と呼ばれるモザイク画です。
作ったのは大槌町の柏崎冨雄さん、90歳です。

制作作業は、スマートフォンを使って下絵となる写真を選ぶところから始まります。選んだ写真を一緒に暮らす娘の佐紀子さんが専門業者に送ると、使用するビーズが入ったキットが届きます。
ダイヤモンドアートに使うビーズの大きさは直径2.5ミリ。これをのりが付いた台紙に貼り付けて1枚の絵を完成させます。時には30種類ものビーズを間違えずに貼り付けるという作業は指先の繊細さと、何より根気がいります。

今から3年前、柏崎さんがダイヤモンドアートに出会うきっかけとなる出来事がありました。
(柏崎冨雄さん)
「運転免許証を返納したもんだから運転できなくなった。そのために家にずっといなくちゃならない。ここでぼやーっとテレビだけみていてもどうしようもないなと」

生活に「張り」を無くした父親を心配した佐紀子さんが、柏崎さんにダイヤモンドアートを勧めました。