田んぼに「アイガモ」を放ち、農薬や化学肥料なしで米を育てる「アイガモ農法」。環境に優しい反面、手間やお金がかかります。そんなアイガモにかわる画期的なロボットが登場しました。
<篠原大和記者>
「藤枝市の有機米を育てている田んぼです。あちら、見えますでしょうか、1台の機械がゆっくりと田んぼの中を進んでいます。実験中の『アイガモロボ』です」
アイガモロボは、東京の企業「有機米デザイン」が開発し、全国で実証実験を行っています。
松下明弘さん。藤枝市で30年前から農薬や化学肥料を使わない米作りをしています。アイガモロボの使命は、有機米作りに取り組む農家をサポートすることです。
<有機米農家 松下明弘さん>
「一番問題になるのは雑草。いかに雑草を抑えるか。それが有機栽培で一番たいへんなところ」
アイガモロボが通ったあとをよく見ると、水が濁っています。スクリューで田んぼの土を舞い上げて水を濁らせることで雑草に届く日光を遮り、光合成を阻止する狙いです。
実験開始から17日。同じ時期に田植えをした2か所の田んぼの雑草です。左側はアイガモロボを使っていない田んぼの雑草。右側は成長が抑えられていることがわかります。
ある程度育ってしまった雑草も、スクリューが土を動かすことで浮き上がらせてしまいます。
<有機米農家 松下明弘さん>
「これはソーラーパネル、これがGPS。この端末でルートを全部設定してそれ通りに走ってくれます。非常に楽です」
およそ10ヘクタールの田んぼを1人で管理する松下さん。2021年、一部の田んぼで雑草が成長してしまい、その田んぼでは収穫量が2割から3割減ってしまいました。
松下さんによると、有機米の田んぼの草取りは除草剤を使う場合と比べて数倍の手間がかかるといいます。
アイガモ農法はアイガモを田んぼに放し、泳がせることで雑草や害虫を抑えます。人が草取りをする労力を減らすことが期待できますが、アイガモを管理するには、多くの手間やコストがかかります。
1人で全ての作業を行う松下さんにとって、アイガモ農法は現実的ではありません。しかし、アイガモがロボットであれば、話は別です。
<有機米農家 松下明弘さん>
「草取りをしなくてもいいという状況になれば、ものすごく仕事は減ります。いい時代になりましたね」
開発した企業「有機米デザイン」は来年の販売を予定しています。
<有機米デザイン開発担当 中村哲也さん>
「いま年5%ずつ減っていく農業者の方々の歯止めになって、農業者の皆様がしっかり儲けて、楽しく魅力ある職業になる。そんなことに貢献できればいい」
<篠原大和記者>
「成り手不足や環境問題など様々な理由で農業の形が変わっています。近い将来、多くの田んぼでアイガモロボの活躍を見ることができるかもしれません」
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